第11話「シンスケの秘密」

「ラッキー、加持さんに買い物付き合ってもらえるなんて!」

「なんだ、ここは、水着コーナーじゃねーか。男の俺を連れてくるとこじゃないぞ。」

「アスカ、修学旅行にその水着はないだろう。」

修学旅行どころか、普通の海水浴にしても、ちょっと大胆な水着を着るアスカ。まして彼女は中学生である。

「最近はこのくらい当たり前よ!ねえ、加持さんこっちの方がいいかな?」

(俺はロリコンじゃないぞ。俺はロリコンじゃないぞ。)加持はかなり、中学生に誘惑されてしまってるようだ。あわてて、話しをそらそうと試みる。

「そうだ、シンジ君達とはうまくやってるのか?葛城の家の隣に住むことにしたんだろ?」

「隣に住むことにしたのは、食事が出るから楽だからよ。ふふふ、あのバカ兄弟にはしっかり家政夫やってもらうわ。」

(だから、隣に住みたいなんて自分から言い出したのか。碇兄弟の料理の味は抜群だってうわさだし。アスカ、同居している間に味を占めたな。)

「あっ、加持さんこっちの方がもっと魅力的に見えるかな?」

鼻血を思いっきり噴出してしまう加持であった。最近の中学生の発育はすごいようだ。


その日の夜、葛城家自宅ではシンジとシンスケが明日の弁当を作っていた。

「綾波、肉が嫌いだとは知らなかったよ。(シンジ)」

「ははは、焼肉弁当はまずかったよな。で、明日はどうする?(シンスケ)」

「あんた達、私にも弁当作りなさいよね。(アスカ)」

「やなこった。レイみたいなかわいい子なら喜んで作るけど、どうしてお前みたいな狂暴女に。シンジ、お前も絶対作ってやるんじゃないぞ。」

「なんですって!」

また、大喧嘩になるアスカとシンスケ。二人ともすごいパンチとキックの嵐である。双方まったく手加減をしていない。シンジにとっては、もう見なれた光景だ。

「くらえ、アスカパンチ」

「そんなもん、通じるか。くらえ、昇竜拳」

二人の喧嘩はかなり、低レベルのようだ。ミサトが帰ってきたときやっと喧嘩が終わった。

「アスカとシンスケ君、相変わらず仲いいわね。(ミサト)」

「どこが。(アスカ&シンスケ)」

「アスカ、日本には<喧嘩するほど仲が良い>ことわざがあるのよ。まさに、今の貴方達にぴったりじゃない。」

「私は、ドイツ人よ。そんなこと関係ないわ。」

「まあ、二人の微笑ましい喧嘩は、ビールのつまみにぴったりよ。 プハ〜、やっぱビールは人類の宝だわ。」

「ミサトさんは、ビールさえ飲めれば、なんでも良いんですね。(シンジ)」

ミサトはその夜、ビールを5本も飲んだ。これはいつものことだから、つまり朝を合わせると毎日6本もビールを飲むのである。

・・・慢性アルコール中毒が非常に心配されるミサトであった。

「あっ、悪いけど、あさってからの修学旅行は、使徒が来ると困るから行っちゃダメよ。」

「ええ〜、修学旅行に行っちゃダメ。(アスカ)」

「そんな〜、ミサトさん。(シンジ)」

「まあ、仕方ないですね。残念だねアスカ、加持さんにショッピングに連れてってもらったのに。(シンスケ)」

「なんで、あんたが知ってんのよ。」

「偶然、街中で見かけただけだ。」

「ちょっと、どうして女性の水着が売ってる所にいるわけ。あんた、ヘンタイよ!」

「俺は、デパートに入ってくのを見かけただけだ。お前こそ、加持さんにそんなとこ連れていったのか?」

「ええ、加持さんは、あんたなんかより100倍はかっこいいですからね。」

「まあまあ、とにかく今回は諦めて、勉強でも頑張って頂戴。知ってるのよ、あなた達のひどい成績。三人ともビリに近いわね。」

「・・・いつも、あんな夜中まで子供を訓練させといて、言っていいセリフではありません。だいたい、修学旅行を行くな、と言ってるのはそちらなんですから、他のことまで要求しないで下さい。(シンスケ)」

「ははは。」

そう、今回は、サードマイナー(シンジの予備)であるシンスケがいる分、NERVでの実験時間やら、相互試験やらで、前回よりかなり訓練時間が長いのである。あまりミサトも大きなことは言えなかった。


<碇シンスケ><碇シンスケ>ダメだ、まったく情報が出てこない。パソコン以外にもありとあらゆる、手段でシンスケのことを調べた加持だったが、以前書いた情報以外何も出てはこない。

(いったい、彼はNERVに来る前どこで生活していたかすら、わからない。シンジ君のクローンってことはどこかで作られたってことだが、どこの組織に作られたんだ・・・・?やはりゼーレか。待てよ、彼はそもそも本当にクローンなのか?確かにシンジ君が一人っ子に間違いないと確認できたし、シンスケ君がシンジ君と同じ遺伝子であることも確認した。でも、なんだかシンスケ君がクローンと言うのはおかしい気がするぞ。直感と理論がまったくかみ合わない・・・。こんなこと、始めてだ。やはり危険だが、本人と接触する他なさそうだな。) 


「レイ、弁当、どうだ?(シンスケ)」

「美味しいわ。(レイ)」

「そうか、返事はちゃんとするようになったな。」

「シンスケ、いつもいつも、綾波に弁当渡して、お前そいつのこと好きなんか?(トウジ)」

「ああ、そうだ。」

「えっ、兄さん?」

「意外と言うんだな、シンスケって。(ケンスケ)」

「綾波は、どうなの?(シンジ)」

「好き・・・私にはまだよくわからない。」

「そうか、まあゆっくり考えればいいと思うよ。(シンジ)」

シンジはなぜか寂しそうであった。自分ではその感情に気づいていなかったが。


学校の帰り道、シンスケは加持に呼び止められた。

「シンスケ君、話しがあるんだが、来てくれないか?」

「ええ、わかりました。」

何やら、人家のない場所に向かう加持。どうも自分に監視の目がない場所で話しがしたいようだと、シンスケはすぐに気づいた。

黙って加持についていくシンスケ。二人は、ある古びたマンションの一室に入っていく。

「やけに古びたマンションですがこんなところで何用ですか?」

「ここなら、監視の目はない。シンスケ君、君の隠してることはなんだい。」

「どこまで知ってるんですか?」

「君がシンジ君のクローンだと名乗ったのは知っている。もっとも俺は本当に君がクローンなのか疑問に思っているがね。まあ、碇指令・りっちゃんは、ゼーレのスパイだとおもっているようだが。」

「そうですか、父さん達は僕を本当にクローンだと思ってるんですか。ゼーレのほうは?」

「君のことを、他の組織が内部調査のために作ったクローン・または碇指令がシンジ君に何か合ったときのスペアとして作ったクローンだと思ってるようだな「実戦経験もないし、あくまで予備だと思っているから、俺が思ってたよりは気にかけていないようだったよ。」

この言葉の後、二人の間に沈黙が流れる。シンスケは迷っていた。加持にどこまでいうべきなのかと。ようやく、シンスケの重い口が開いた。

「今、僕に言えるのは、僕が本当はシンジのクローンではないこと、加持さんを敵だとは思ってないこと、それだけしか言えません。」

その後、加持は、なぜかシンジを深くは追求できなかった。


後書き

この回でシンスケが加持に正体を明かすか否かは、ずいぶん迷いました。しかし、秘密にしといた方がおもしろいかな、と判断したため、ご覧のような結果になりました。個人的に逆行ものは、しばらくは自分の正体をあかせず、秘密にしていく方が好きなもので。話しは変わって、感想メール下さいねお願いします。

次回予告

「第8使徒サンダルフォンが現れた。シンスケは、あらかじめこの使徒を倒す策を考えていた。いったいシンジの作戦とは?エヴァ2回目第12話「キーワード」、次回も見てね。」


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