復讐の紳子

               陸の章

 京都の碇家の地下にある部屋にシンは居た。
 その右腕に、漆黒に輝く槍を携えて・・・・・。
 シンの前にはジンが二振りの剣と
 一冊の書を両手に抱えながら立っていた。
 ジンが言う。
 「真王よ。これがご所望の品『炎の剣』と『断罪の剣』
  それに『コーランの書』です。
  我が部隊の者が今し方届けて参りました。
  ・・・・・・その『グングニルの槍』は如何ですか?」
 軽く右腕を振り、漆黒の軌跡を作りながら答える。
 「なかなかに良いな。
  だが、俺の力の解放には耐えられまい。
  少し力を解放しようとしたら、ヒビが入ったぞ?
  俺の力で傷を治してはおいたが、これは俺には使えん。  ジン。お前が使え」
 首を振るジン。
 「私は貴方様のお創りになられた闇に魅入られし刀
  『赤眼魔龍』を頂きました。
  これ以上の物はありません。
  それを誰が他の物を使おうと思いましょうか」
 笑うシン。
 「冗談だ。これは俺が保管しよう。
  俺の気に触れる間に強くもなるだろう。
  これはシンジが俺達と共に歩むならばシンジに与えよう」
 尋ねるジン。
 「シンジ・・・・貴方様の甥御さんですね?
  分かりました。
  彼が我等と共に歩むその時を夢見てそれを封じましょう。
  ・・・・さて、これら三つの神器は如何致しますか?」
 答えるシン。
 「それらは本物だ。『断罪の剣』はミカエルに。
  『炎の剣』はラファエルに。
  『コーランの書』はガブリエルに与えよ。
  彼奴等なら操れるだろう」
 一礼するジン。
 「承知いたしました。
  ではこれらは彼等に渡して参りましょう。
  ・・・・・・真王よ。一つお尋ねしたい。
  全てが終わりし時、貴方様は如何なされるおつもりで?」
 笑いながら去るシン。
 「しれたこと。悪は誰かに倒されねばならぬ。
  如何に我等が正義を貫いたとて、
  他者には悪としか映らぬ事もある。
  故に全ての罪は我と共に・・・・・」
 その後ろ姿を見送りながら呟くジン。
 「貴方は分かっていない。
  貴方の死を悲しむ者がどれだけいるかを・・・・・。
  貴方を必要とする者がどれだけいるかを・・・・・。
  私は貴方様の為なら如何な事とて致しましう・・・・。
  貴方が死を望まれるなら、
  私は何処までもお供いたしましょう。
  未来永劫変わる事なき忠誠を貴方に・・・・・・」
 シンの消え去った通路に向かい深々と一礼をして、消えるジン。
 彼の呟きは闇に消え、悲しみの気配も風に散った。

 此処は日本にある『HAH』の本部である。
 シンは自分の執務室にザドキエルとラファエルを呼んだ。
 ラファエルは金色の短髪に青の瞳をした長身の男である。
 白銀の胸当てを身につけ、蒼の法衣を纏っている。

 「さて、キョウコ。リヨルド。
  お前達にはネルフ本部に挨拶に出向いて貰いたい。
  ・・・・・ユイが会いたがっているでな。
  アスカも連れていくと良い」
 二人を前に口を開くシン。
 「アスカはまだ赤ちゃんですよ?」
 笑いながら答えるリヨルド。
 「ユイとゲンドウの子であるシンジとレイも赤子だ」
 返すシン。
 「分かりました。ユイにも会いたいですし
  今ある仕事が終わり次第ネルフに赴きます」
 少し笑いながらキョウコが言った。
 「すまんな。・・・・キョウコ、
  お前はこれからネルフの副司令として、
  エヴァンゲリオンを造って貰う。
  リヨルド、お前には苦労を掛けるかもしれんが、
  頑張ってはくれまいか?」
 キョウコには思い出したように、
 リヨルドには一抹の不安を込めて言うシン。
 そんなシンに、慌てて右拳を左胸につけ、
 右籠手につけられた階級を表す紋章(紋章は個々別々)を見せる、
 此処特有の敬礼をするリヨルド。
 「と・とんでも無い。
  貴方様の御命令でしたら私はこの身命を掛けて成し遂げます」
 それを聞き、安心したかのように目を瞑り口を開くシン。
 「・・・・そうか。キョウコ。リヨルド。
  これからも頼むぞ。
  ・・・・・・・・これからの世に羽ばたく子等に幸あらん事を」
 シンの言葉を聞き、一礼して立ち去る二人。
 それと入れ替わるようにレナが入ってきた。
 「・・・シン。やっと一つ揃いましたね。
  ですが、宜しいのですか?
  ジンは貴方の後を追う気ですよ?」
 目を閉じたまま答えるシン。
 「ジンは愚かではない。
  己の命を捨てるようなことは教えていない。
  ・・・・・レナ。済まない。俺にはこれしか思いつかない」
 しばし目を瞑り、また目を開けて話すレナ。
 「・・・・・シン。分かっています。
  ですからもうそれは言わないでください。
  ですが、レイナが一人立ち出来る歳に計画が終わったときは、
  ・・・・・・・私もお供させてください」
 目を開け、レナを見据えて言うシン。
 「・・・・・・俺の望みは唯一つ。
  できる事なら・・・・・レイナと共に生きてくれ」
 シンの言葉に頷き、シンの右隣まで歩いてくるレナ。
 「・・・・シン。
  今はただ、貴方の側で貴方と共に居たいのです」
 そう言うと、シンの顔に顔を近づけるレナ。
 そして、二人は見つめ合い唇が重なった。
 唇を離して言うシン。
 「・・・・レナ。今はまだ側に居てくれ。
  俺はまだ闇に染まりきっていない」
 微笑むレナ。優しい風が軽く二人の頬を撫でた。

 此処から目的が二つになった。
 亜神は己の死に場を求めて、
 その部下等は亜神を救うために。


   後書き

 お久しぶりのレンです。
 久々に投稿させていただきました。
 実は私はまだ学生なもんで時間があまり無いんですな、これが。
 まあそれでも頑張りますんでこれからも宜しく。
 疑問には多少はお答えしますが、あまりにも鋭い突っ込みは勘弁です。


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 トマトのコメント

 LASだけとアスカの出番はまだなのか…。
 まだ赤ちゃんって言ってますからね。
 話し変わって、私もレンさんと同じ学生です。
 一応、受験生ですので今年(2002年)の後半は更新できな可能性大です。
 すいません。…今から断っておきます。
 では、皆さんぜひレンさんに感想メールをお願いします!

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