第14話「シンジの告白」

マンションのエレベータの中のシンスケと加持。シンスケが加持に、紙切れ一枚を渡しそっとつぶやく。

「加持さん、土産ですよ。」

「シンスケ君、土産ってただの紙じゃ・・・・・・、これは?」

「いい土産でしょ。その土産は誰にもあげちゃダメですよ。今度、加持さんが松代のうまい食い物でもくれたら、お礼にこのお土産また、さし上げますよ。」

シンスケの渡した土産とは、明日の第9使徒戦闘とその前に起こる停電事件についての情報だった。

この土産に書いてあることが本当なのかどうか、さすがの加持でも半信半疑であった。とにかく、加持は明日、シンスケを徹底的にマークすることに決めた。


(加持さん、今ごろ僕の正体、必死に探してるだろうな。でもまさか、僕が未来からきたシンジだなんてわかるわけないよね。)

あの後、醤油を買ってきて、帰ったシンスケは、湯船の中につかっていた。今日はシンジとは、入っておらず一人で入っているようだ。

(いきなり僕が未来からきた、なんて言っても信じてくれるわけないけど、使徒の出現をぴたり的中させてからなら、信じてくれるだろ。)

「兄さん、ミサトさんが早く風呂入りたいって言ってるよ。早く出てきて。」

「ああ、長湯になっちまったな。すぐ出るよ。」

ミサトが風呂に入っている間、碇兄弟はアイスを食べながら、雑談をしていた。

「ところで、シンジお前好きな子いるのか?」

「えっ、その一応。・・・兄さんこそどうなの?」

「俺はレイを狙おうかと思ってるよ。どっかの暴力赤髪女とちがって、あのかわいらしいところがいいよ。」

「えっ、そうなの。」

なんだか声が小さくなり、軽いショックを受けるシンジ。シンスケはそんなシンジの表情を見逃さなかった。


翌朝、いつも通り学校に登校する碇兄弟。昼休みの時間、シンスケがいつも通りレイに弁当を渡そうとすると、

「兄さん、僕が渡すから、今日はいいよ。」

自分でも思いかけず、かなりキツイ口調で兄に迫るシンジ。シンスケ、シンジがレイにほれていることを確信した。

ちょっとさびしそうだが、暖かくなるシンジの表情。

「レイ、シンジがお前に告白したいことがあるそうだ。」

「なに、シンジ君。」

先ほどのシンジの大きな声で、元々注目していたクラスの生徒が、ますます熱心な顔でシンジに注目する。

その空気にシンジもすぐ気づいた。小さな声だが、きつくシンスケに抗議するシンジ。

「ちょっと兄さん。」

「シンジ、お前は使徒との戦争でいつ死ぬかわからん。もしかしたら、明日には綾波に会えなくなってしまうかもしれんぞ。だから、今のうちに悔いの内容、精一杯生きろ。恋も同じだぞ。」

シンジに決心させるため、クラスメイトにも聞こえるよう、わざと大きな声で言うシンスケ。

「で、でも。」

「でも、じゃねえだろ!シンジ勇気を出すんだ!」

かたずをのんで見守っていたクラスメイトのみんなもシンジを励ます。

「頑張れシンジ。」

「シンジ、男ならびしっときめんか。」

「シンジ君、頑張ってね。」

(・・・よし、こうなったら) シンジはついに人生最大の決心をした。

「綾波、僕は君のこと、す、好きなんだ。そのぼくの恋人になってくれないかな。」

「わかったわ。よろしくねシンジ君。」

<おお〜>クラス全体がいちだんとにぎやかになる。

「ヒュウ、ヒュウ、カップル誕生だな。シンジ、お前にその美少女は分不相応だぜ。大切にしろよ。」

「意外と勇気あるのね、シンジ君って。」

「よかったわね、シンジ君。」

「シンジ、レイ、幸せになれよ。間違っても俺のようにはなるなよ。」

クラスのほぼ全員が、二人をからかいながらも、大きな祝福をしていた。シンスケの行動を探るため、盗聴をしていた加持。

(シンジ君やるな。久しぶりに、心が暖かくなるものを見せてもらったよ。いつも嫌な大人の世界ばかり見てるからな・・・。しかし、シンスケ君は恋愛事にも相当な策士だな。)


「おう、シンジ悪いんだが、今日は訓練あるからデートは明日にしてくれ。今からNERVに行くぞ。」

「わかってるよ、兄さん。」

そう言いながらも、顔が緩みっぱなしのシンジ。もはやシンジの頭の中には明日のデートのことしかないようだ。

「綾波、デートどこに行く?」

「う〜ん、私よくわからないの」

レイも嬉しそうな表情である。

(今日、使徒が来るのに・・・。二人をくっつけるのは明日にしときゃよかったな。)

少し後悔するシンジだが、もう遅かった。アスカとシンジは二人のいちゃつきを嫌というほど見せつけられながら、NERV行きの電車に乗っていった。

(ま、これでよかったのかもな。やっぱりレイを愛する資格は俺にはないよ。)


「あれ、兄さん開かないよ。」

NERV本部ゲートにセキュリティーカードを通すシンジだが、なぜか反応がない。

「私もだわ。」

「何やってんのよ、私に任せなさい。・・・あれ、どうなってんのこれ、壊れてるんじゃないの!」

「加持さん、そこにいるのはわかってるんですよ。なんとかして下さい。」

知ってたのか、と言う顔で苦笑しながら姿をみせる加持。

「ばれてたのか。いつからわかったんだ。」

「加持さんの性格からして見当はつきますよ。」

「加持さん、どうしたんですか?(シンジ)」

「仕事だよ。NERVゲート周辺の見張りは俺の仕事だからね。」

「そうだったんですか。」

「ねえ、加持先輩。なんでカード通らないんですか?」


「さあ俺にもわからん。でも、抜け道はしってるから、ついてきてくれ。もし、こんな時に使徒でも現れたら、大変だからな。」

加持の案内により、最短距離の通気口から発令所にむかうシンジ達。

通気口は狭くて暑く、立つことができないので、はって進まなければいけない。

(ダメだ、そんなことしちゃ、でも気になる。ああ、もう少しで見えそうだ。)

しかし、シンジ君にとってはたいへん嬉しい状況のようだ。

「ちょっとシンジ。何、ファーストのスカートの中じろじろ見てんのよ!」

「えっその・・・。そんなところ見てないよ。」

「本当に、へぇー。ファーストのこと好きだったら、じろじろ見るのは仕方ないと思うけど、見ないってことは彼女に魅力を感じてないってことなのよ。」

「碇君、私は見てもらっても、ぜんぜんかまわないのに・・・」

「え、それじゃ、綾波今度二人っきりの時に・・・・・・こんなことや、あんなことも・・・・・・」

「う、うん。碇君なら喜んで。」

いきなり関係が進みすぎの二人であった。その後の第9使徒戦は歴史通り簡単に勝利した。

(シンスケ君の土産通りだ・・・、なぜ彼にはわかったんだ。停電事件のことはシンスケ君が属する組織がやったと仮定したりすれば、説明はつくが、第9使徒の戦闘展開まではゼーレでもわかっているかどうか・・・・。)


後書き

あわれ第9使徒。名前すら出てこずに、たった一文で終了。本編でも、一番弱い使徒だしまあ、仕方ないよね?(←仕方なくないぞ!)それよりも、シンジとレイの関係どう見ても一気に進みすぎですね。二人の恋人になるまでのプロセスの描き方が悪すぎる。これは、次回作の課題です。

次回予告

「シンジとレイは、始めてのデートをする。彼らの仲はさらに進展するのだろうか?その前日に交わされた加持とシンスケの密談とはなんなのか?次回、エヴァ2回目「足音」、来週も絶対見なきゃだめよ。


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